合同会社説明会情報
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三菱重工業も長崎県諫早市の太陽電池工場で、需要の伸びに備えている。現時点ではシャープや三洋電機、京セラなど先行する太陽電池メーカーの集積する関西には及ばないものの、九州は国内の太陽電池産業の集積地の一つになりつつある。
しかも、九州各社の太陽電池は薄膜型と呼ばれるタイプが多い。材料が少なくて済み、変換効率が高いため、将来性が期待されている。また薄膜型は半導体と生産の工程が似ており、今後、九州で太陽電池の生産を拡大するうえで、これまで九州で蓄積してきた半導体産業の技術、人材を生かせるメリットがある。こうしたことも追い風になって、九州の太陽電池工場は能力の増強を進めようとしており、世界の生産能力の一割を占める可能性があるとの分析もある。
太陽電池は発電した電気を高価格で買い取る制度をテコに欧州を中心に需要が急増した。大規模な太陽光発電所も相次いだが、リーマンショック後の不況で需要は伸び悩み気味だ。欧州での太陽電池の需要が減退しているため、三菱重工業は太陽電池の新工場の稼動を延期する検討をするなど、太陽電池産業といえども決して順風満帆ではない。ただ「九州大学など九州の大学の太陽電池の研究レベルは高く、うまく大学の地力を活用すれば、九州の太陽電池産業は高い競争力を付けられる可能性がある」(九州経済調査協会)との指摘もある。いずれ、「グリーンニューディール」を掲げるオバマ政権の登場などで太陽電池の需要もいずれ成長軌道に乗るとみられており、九州の太陽電池関連産業が拡大する可能性は少なくない。
九州経済発展の芽になる環境ビジネスは太陽電池に限らない。三菱重工業長崎造船所は諫早市で太陽電池の生産をするほか、風力発電装置など幅広い環境関連の技術蓄積がある。最近大きな話題になったのは二酸化炭素の排出が少ない石炭火力発電所の技術だ。

6月下旬の同社の発表によると、この発電所は二酸化炭素の排出量を従来に比べ最大で9割削減することが可能な次世代型。三菱商事と共同でオーストラリアのクイーンズランド州に建設するためのフィージビリティ・スタディー(事業化調査)を受注した。2015年の運転開始が目標だ。クイーンズランドで豊富に産出される石炭を活用。炉の内部で微粉化した石炭をガス化して発電に使い、排熱も発電に活用する石炭ガス化複合発電(IGCC)と、二酸化炭素の回収・地中貯留技術を組み合わせた。高効率のガス化発電で二酸化炭素の排出を抑え、さらに二酸化炭素を回収することで排出をさらに削減できる仕組みだ。二酸化炭素の回収・貯留機能を備えた商業レベルのIGCC発電所の建設は世界で始めてという。
三菱重工業は出力25万キロワットのIGCCを電力会社十社が出資する「クリーンコールパワー研究所」(福島県いわき市)に納入し、2000時間を越える運転を成功させた実績があり、それが評価された形だ。長崎造船所はガス化炉、蒸気タービン、熱回収ボイラーなどIGCCの主要部分の技術を持つ。石炭は埋蔵量が多く安価で世界的に発電に利用されている。二酸化炭素の排出が大幅に減らせれば、石炭火力発電の市場が広がる可能性もありそうだ。

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工場

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