合同会社説明会情報
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一方、福岡では産学官で「水素」の研究が加速する。
「二酸化炭素は一切出てきません。出てくるのは水だけであるということです」。4月下旬、麻生渡福岡県知事は公用車に燃料電池自動車を導入するのにあたって、環境への負荷が少ないことをこう説明した。燃料は水素。水が出てくるのは水素と酸素が反応して水になるときに電気を取り出すからだ。燃料電池車に水素を供給する水素ステーションも福岡市、北九州市に整備し、実際に福岡市と北九州市の間を走らせる実証実験を進める計画だ。
このほか福岡県は新日本石油、西部ガスエネルギーなどと組んで前原市で家庭用燃料電池150台を集中設置する「水素タウン」の実証実験を開始した。各家庭に供給するLPGから水素を取り出して燃料電池を稼動させる。一般家庭の6割程度の電気をまかなえるとされ、今後数年にわたって省エネ性能などを検証する計画だ。今年度からは北九州市でも工場などの製造過程で出る水素をパイプラインで直接マンションなどに供給して燃料電池で発電する実験を開始する。

こうしたプロジェクトは県や九州大学、民間企業などで構成する「福岡水素エネルギー戦略会議」の事業の一環だ。水素の製造から貯蔵、利用まで一貫して福岡で手がけることで水素エネルギー関連産業の育成を目指す戦略だ。研究開発では九州大学伊都キャンパス内にある産業技術総合研究所水素材料先端科学研究センターを活用。水素による金属疲労の研究ではトップクラスの実力を持ち、水素を送るパイプや貯蔵用タンク向けの素材技術の研究が進む。さらに来春には前原市で水素関連製品の耐久性などを試験する「水素エネルギー製品研究試験センター」が完成。中小、ベンチャー企業がこの施設を活用して水素
関連分野への新規参入を促すという。


電池車 九州の企業、大学には太陽電池やIGCC、水素以外にもバイオマス(生物資源)やリサイクルなど低炭素社会をビジネスチャンスにつなげる技術が数多くある。福岡の水素を筆頭に自治体も環境関連産業の育成に乗り出している。地域の技術シーズを生かす戦略があれば、環境関連ビジネスを半導体、自動車に次ぐ有力産業に育てられる可能性は少なくない。太陽電池で米欧勢が急成長したように、二酸化炭素排出削減という新しいルールの中で産業構造は激変する可能性がある。このチャンスをつかんだ地域が次世代の経済発展の武器を得ることになる。

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