地域経済の活性化と九州の地場銀行
求めれる事業性融資の再構造 space3
■求められる事業性融資の再構築
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もっとも、不良債権処理の早期化を目指す金融当局への対応だけが、地場銀行がリレーションシップバンキングの機能強化を進める理由ではない。地方部における事業性資金の需要減という構造的な問題への対応もその理由である。資本市場の整備により、企業金融の直接金融化が大企業から中堅・優良中小企業にまで拡大しつつあり、キャッシュフロー経営の普及で企業の外部資金依存の見直しも進んでいる。加えて、本社機能の東京への一極集中で資金調達権限の中央への移管も進んでおり、地方では金融機関が取引拡大を希望する優良企業ほど銀行融資に頼らなくなっている。一方で、供給側のプレイヤーの数はさほど変わっておらず、縮小したパイを巡って、メガバンクを含めた激しい競争が展開されることになる。

こうした状況の中、地場銀行は住宅ローンで貸出金残高を補強して金利収入を稼ぎ、これに投資信託・保険の販売など個人向けフィービジネスによる収入を上乗せすることで、収益の維持・拡大を図ってきた。しかし、住宅ローンについては、住宅金融公庫改革の完了で公的金融機関のシェア低下による市場拡大は見込めなくなり、借り換えについても既に二巡・三巡している。また個人向けフィービジネスについても、規制緩和が進む一方でリスク商品の販売に係る規制の強化が進んでおり、株価低迷の影響もあって、従来のような預かり資産の急拡大は期待できない状況にある。そのため、貸出の大部分を占める事業性貸出の再構築が急務となっており、各行ともリレーションシップバンキングの機能強化で、これに対応しようとしているのである。

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地域経済活性化とリレーションシップバンキング

地域経済の実情にあわせて進む取り組み

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