地域経済の活性化と九州の地場銀行
地域経済の実情に合わせて space3
■地域経済の実情にあわせて進む取り組み
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現在、地場銀行が力を入れている分野に医療と農業がある。高齢化が全国以上に進む九州では医療サービスに対するニーズが強く、先端医療機器の購入や病棟の建て替えなどで今後、資金需要が見込める数少ない分野のひとつである。当然ながら各行とも営業活動の強化を図っており、地場銀行でも医療機関債の受託や医療機関向けシンジケートローンの組成、ファンドによる医療関連企業への投資などが行われている。農業分野については、従来から「フードアイランド九州」の基幹産業であるほか、食料自給率の低下や相次ぐ食品偽装問題の発覚から今後の展開が期待される分野でもある。九州でも南九州の銀行を中心に取組強化が進んでおり、ファンドによる農業関連企業への投資、ABL(動産担保融資)を活用した畜産業への融資、農業事業者向けの融資商品の開発などが実施されている。

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国際化対応や環境も地場銀行が取り組みを強化している分野である。地場銀行の国際化はバブル期の海外支店・駐在員事務所の設置で本格化したが、1990年代末に国内回帰が進み、一時下火となった。しかし、東アジア地域の経済成長が加速する中で地域経済のグローバル化が進み、東アジアに隣接した九州でも、顧客企業の海外展開支援を行う必要性が急速に高まった。現在では、各行とも香港・上海・台湾などで商談会を開催し、顧客企業のビジネスマッチングを積極的に進めている。環境については、当初は企業イメージの向上を目的とした対応が多かったが、環境問題の深刻化と環境意識の高まりを受けて、金融機関においても環境をビジネスとしてとらえる動きが加速している。地場銀行でも、金利や手数料を優遇した環境私募債、エコ私募債の受託を積極化しており、CO2排出規制の強化を先取りしてCO2の排出権特定金外信託の取り扱いを始めた銀行もある。加えて、開・廃業率の逆転や企業経営者の高齢化が進む中で創業支援や事業承継支援に対するニーズも強まっており、ベンチャーファンドによる新規開業企業への投融資やM&A(企業の合併・買収)の仲介業務への地元銀行の取り組みも積極化している。

担保

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