新たな段階を迎える九州の訪日外国人観光
九州アジアインバウンド時代の到来space3
■はじめに
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九州では、近隣のアジア諸国の成長に伴い外国人観光客が増加している。増加ペースは力強く、今後もこの流れは加速するとみられており、九州経済を牽引する新たな産業の柱となることが期待される。そうしたなか、本年3月11日に東日本大震災が発生した。外国人の日本への渡航が減少したことで、九州への外国人客も激減したが、一時的な落ち込みで収束しそうである。九州は、今後も外国人客を積極的に受け入れ、九州観光の大きな柱となっていくことが見込まれる。

■100万人を超える訪日外国人
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今日、九州への訪日外国人は、年間100万人を超えるまでに増大した。九州及び全国の入国外国人数の長期推移をみると、全国、九州(九州7県・山口県)とも1985年プラザ合意後の円高、98年のアジア通貨危機、2008年のリーマンショックによる世界同時不況など数回の落ち込みや低迷期はあるものの、1975年以降、ほぼ右肩上がりで増加している。九州は、経済成長するアジアから多くの観光客が訪れる「アジアインバウンド時代」を迎えている(図表1)。政府は、2020年初めまでに訪日外国人数を年間2,500万人まで拡大させる目標を掲げている。九州では、その目標に沿って、2020年までに訪日外国人数を現在の100万人から、250万人(政府目標の1割)まで拡大させる必要があり、その素地は十分にあるといえる。
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九州・山口の入国人数の長期推移

■拡大するアジアからの観光客
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九州アジアインバウンド時代を牽引するのは、アジアからの観光客であり、特に中国人観光客の伸びが期待される。これまで欧米との国際航空路線を有した歴史が少ない九州は、入国外国人数に占めるアジアの比率が高く、2000年代には90%を超えて推移している。全体的な訪日外国人数は韓国人が多いものの、中国における旅行需要の高まりから、九州を訪れる中国人観光客は増加している。九州・山口への入国者数の推移を1998年を100としてみると、中国は2009年には1998年の約4倍以上の伸びとなっており、リーマンショック後も伸びている(図表2)。韓国は2007年まで大幅な伸びを示したが、リーマンショックとその後に続く円高ウォン安の定着で、08年、09年は大幅に低下した。
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九州・山口の入国人数の長期推移

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2.訪日外国人市場の実態

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