九州の活力支える中小企業
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■観光や高齢化・医療に成長の芽
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ひとつが、「宿泊業・飲食サービス業」の伸長にある。2009年7月時点の九州7県の事業所数は約2006年時点に比べ390カ所増え、全産業に占める構成比は0.3ポイント上昇。従業員数の構成比も1.6ポイント上昇した。大震災の影響で韓国や中国など海外からの観光は冷え込んだが、九州の安全性が認識されるにつれ徐々に回復するとの見方は相手国側の外交当局からも聞かれる。火山や温泉など九州の魅力を訴求点に海外から旅行客を大量動員するのは航空・鉄道などの旅客業や大手の旅行代理店の得意とするところだ。しかし、温泉地や景勝地、食べ物などの体験機会そのものの魅力を磨き上げるのは、中小の事業者が持つ地の利や経験に根ざした企画・実行力、そして業者間の連携の見せどころだ。この点、九州ではすでに温泉地の全国ブランド化などでも実績がある。海外からの観光機会が拡大すれば、小売業や卸売業への需要を支える波及効果も期待できる。
もうひとつが「医療・福祉」分野だ。九州7県の事業所数は248カ所増え、全体に占める構成比は0.2ポイント上昇した。さらに従業員数の構成比は13.6%と全国平均を4ポイント上回る。雇用情勢が全国でも厳しく医療・介護分野に職を求める事情もあるが、比較的に高齢化が進んでいる点も同分野でのニーズを高めているようだ。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の都道府県別将来推計人口」(2007年5月推計)による65歳以上の人口比率を見ると、2035年の推計として、長崎(37.4%)、宮崎(36.9%)、鹿児島(35.9%)、大分(35.6%)、熊本(35.6%)の5県が全国の上位半分に入っている。
高齢化問題を公的支援によって解決する道筋のみに依存すれば財政面からの制約でいずれ深刻な隘路に陥るのが必至の状況にある。半面、高齢化社会の医療・介護を新たな成長産業の起点として考える動きもある(資料5)。代表例のひとつが「東九州メディカルバレー構想」。大分と宮崎の2県が共同で策定し、産官学間の連携に血管・血液に関する医療や関連機器産業の拠点づくりを目指す。大学や企業などの先端的な研究・開発が主導的な役割を果たす一方、地域の中小のものづくり企業による機器開発や生産への参加にも期待が寄せられている。
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医療・関連機器の産業振興に向けた産学宮関連携

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「転業」も起業の一形態

「挑戦」後押しする支援体制を

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