アジアとの近接性
成長をアジアに求める ロケーションアドハンハンテージへの疑問 アジアにおけるSCM 海上輸送の優位性 終わりに
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海上輸送の優位性
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アジアとの物理的な近接性が、先述の様々な理由によって薄れつつあるとしても、船舶による海上輸送において、北部九州のゲートウエイをはじめとする優位性は明らかに維持されることになる。SCMに求められる信頼性と安定性、トータルなリード・タイムの短さは、距離と不可分だからである。既に九州には中国や韓国各地を結ぶRORO船(フェリータイプの車載型の貨物船)のネットワークがあり、コンテナを車台ごと直接に積み込むことで、貨物の仕出地から最終目的地までを途中で積み替えることなくシームレスに輸送するシステムが作られている。
 JRコンテナ

海上輸送の距離が短いからこそRORO船とトラックや貨物列車などの他の輸送手段と組み合わせた複合一貫輸送の方式は、迅速かつ安定的な輸送に効果を発揮する。まさに物流においては、近接性は強みであり、優れたSCMをサポートすることでさらに強化される。英仏海峡などのヨーロッパに見られるように、多くの航路に頻度の高いRORO船による航路網が構築されれば、まさに九州はアジアの中でスムーズなSCMに組み込むことが可能になる。今後のより積極的な取り組みが期待される。
また人の動きでも、今年は80隻を越えるクルーズ船が博多港に寄航することが予定されており、空前のブームとなっている。その多くは中国からの旅行者であり、内需の大きな拡大が期待できない中で、観光による経済効果が期待される。さらに最盛期には60万人を輸送する日本最大の旅客航路である博多・釜山間の高速旅客船サービスと合わせて、九州が船舶によって多くのアジアからの旅行者を迎えることになる。海上輸送を通じた物流と人流の増加に向けて、アジアとの近接性をさらに活用するべく環境の整備が求められる。

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船の航路
 輸送ネットワーク
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