証券会員制法人福岡証券取引所(以下、福証)は、1949年の設立以来、企業が成長・発展していく上で必要な成長マネーを直接金融の形で資金調達する場を提供することを通じ、投資家が安心して市場で売買できるよう透明性の高い市場を運営することによって、地域経済への貢献に努めてまいりました。
 おかげさまで福証は、2019年7月をもちまして設立70周年を迎えました。これもひとえに皆様のご支援の賜物と心から感謝いたしております。
   さて、地方創生が謳われる昨今、成長過程にある企業の資金ニーズと投資家の運用ニーズを円滑に結びつける金融センターとしての存在はより一層重要性を増しております。こうした中、地域に根差した活動を目指す福証の取組みについてご紹介させていただきます。

企業の成長過程において、設備資金の必要性等から円滑な資金調達が必要となる局面があります。このうち直接金融による資金調達の場を提供するのは証券取引所であることから、この機能を有用に活用いただくためにも、証券取引所への上場を促す仕組みやそれをサポートする施策が求められます。福証は企業の上場意欲を喚起し、上場準備を効果的に指導・サポートするために「九州IPO挑戦隊」事業に取組んでいます。

「九州IPO挑戦隊」においてはその入会企業を対象とし、上場準備に関する基本的な知識や事業計画の策定に関する技術の習得支援を目的に、2012年より「IPOチャレンジアカデミー」をスタートさせ、地域の産業育成機関やIPO関係機関(監査法人、証券会社、ベンチャーキャピタル等)と連携した取組みを行っているところです。

また2016年には、IPOに関する相談及びセミナー情報等の受発信がウェブサイトを通じて利用可能となる「九州IPO NAVIGATE」を開設するなど、様々な形で上場準備企業をサポートする態勢を整備しています。

九州IPO挑戦隊とは、「3~5年以内に福証市場へ上場する」という目標を有する企業を対象に、地域の産業育成機関で構成する応援団が、上場準備をサポートするプロジェクトです。

九州IPO挑戦隊は年に1回入会企業を選定しており、これまでに、合計59社が加入しています。

それに加え、2017年11月及び2018年4月には、地域企業の株式上場を支援するために、九州7県、沖縄県、山口県、広島県に所在する銀行18行と「地域における企業の株式上場に向けた成長支援に関する協力協定」を締結し、上場を志向している各行の取引先を対象とした株式公開のためのセミナーの開催をはじめ、行員を対象とした株式上場の意義や上場実務に関する勉強会を開催するなど、銀行各行と連携して地場企業の上場を支援する体制を構築することで、新規上場の促進に取組んでいます。

一方、福証上場企業の事業内容や経営状態を知っていただくIR(インベスター・リレーションズ)の場として「福証IRフェア」を福岡県中心に年間10回程度開催しています。九州地域の投資家や株主の間では、上場企業に関する情報に生で接する貴重な機会として、毎年コンスタントに1,400名以上の方にご来場いただいています。

また、福証の単独上場会社で構成する「福証単独上場会社の会(単場会)」が実施している当「IR NAVI福証」の作成や、株式の流動性向上のための取組み等に対する支援、協力を実施しています。

我が国が持続的に成長するためには、地方に活力が生まれ、経済全体を下支えできる環境が必要です。そのためには、九州地域の チャレンジ精神旺盛な企業が、地元の取引所への上場を契機に更なる成長を実現していくための支援を行うことは、同時に地域経済の成長・発展にもつながると考えられ、直接金融を担う証券取引所としての使命の一つであると認識しています。地域企業の皆さまにおかれましては、福証を通じた資金調達機能を活用し、世界へ飛躍する企業へとステップアップしていただけるよう念願しています。そして、投資家の皆さまが福証において安心して売買取引を行っていただけるよう、引続き適切な上場審査や市場取引の公正性確保等に努めてまいります。