福岡証券取引所の役割

証券会員制法人福岡証券取引所(以下、福証)は、1949年の設立以来、企業が成長・発展していく上で必要な成長マネーを直接金融の形で供給する一方、投資家をはじめ市場関係者の皆さまが安心して市場で売買できるよう透明性の高い市場を提供することによって、地域経済の発展に貢献してまいりました。

地方創生が謳われる昨今、西日本唯一の証券取引所として、成長過程にある企業の資金ニーズと投資家の運用ニーズを円滑に結びつける金融センターとして、その存在はより一層重要性を増しており、地域の経済発展のためには欠くことのできない金融インフラとなっております。そのような地域に根差している福証の取組みについてご紹介させていただきます。

企業が成長するためには、円滑な資金調達と効率的な事業投資を行うことが重要です。このうち直接金融による資金調達機能を有するのは証券取引所であることから、この機能を有効に活用いただくためには、証券取引所への上場を促す仕組みやそれをサポートする施策が求められます。福証は企業の上場意欲を喚起し、上場準備を効果的に指導・サポートするために「九州IPO挑戦隊」事業に取組んでいます。

「九州IPO挑戦隊」ではその入会企業を対象とし、上場準備に関する基本的な知識や事業計画の策定に関する技術の習得支援を目的に、2012年より「IPOチャレンジアカデミー」をスタートさせ、地域の産業育成機関やIPO支援機関(監査法人、証券会社、ベンチャーキャピタル等)と連携し、積極的に取組んでいるところです。2016年には、IPOに関する相談と情報発信を行うプラットフォームとして「九州IPO NAVIGATE」を開設しております。

九州IPO挑戦隊とは、「3~5年以内に福証市場へ上場する」という目標を有する企業を対象に、地域の産業育成機関で構成する応援団が、上場準備をサポートするプロジェクトです。

九州IPO挑戦隊は年に1回入会企業を選定しており、これまでに、合計50社が加入しています。

こうした取組みの成果として、地方証券取引所では唯一、2009年から毎年新規上場が実現しています。また、2014年5月には株式会社東武住販が、「九州IPO挑戦隊」入会企業第1号として福証に上場を果たし、2015年8月には株式会社エスケーホームが第2号として上場を実現しました。

一方、こうした九州域内の取組みだけに留まらず、九州とアジア諸国との経済交流が一段と深まっているなか、アジア企業の日本国内における認知度や信頼性の向上を目的に、2010年に外国株券等の上場制度を創設しました。現在、上場誘致を効果的に推進するため、行政機関、経済界、アジアへ進出している企業等約50先から組成された「アジア企業・福証上場サポートネット」を通じ、上場候補企業の情報収集等に努め、アジア企業の上場実現に取組んでいます。

また、売買取引の活性化をはじめ、上場企業の認知度向上や事業内容の理解促進を目的に、IR支援事業として個人投資家向けのIR説明会「福証IRフェア」を福岡県を中心に九州各地で年間10回程度開催しています。九州地域の投資家や株主の間では、上場企業と投資家との貴重な対話の場として好評を博しており、毎年コンスタントに1,400名以上の方に参加いただいています。

そのほかに、福証の単独上場会社で構成する「福証単独上場会社の会(単場会)」と相互に連携し、株式の流動性向上のための取組み等を実施しており、投資家の皆さまが売買しやすい環境整備を進めているほか、地元経済界を主要構成メンバーとする「福証活性化推進協議会」との共同で「企業交流会」を開催するなど、地域企業やその支援機関などが幅広く交流する場を設け、福証市場の活性化に取組んでいます。

地方に活力が生まれなければ、我が国の持続的な成長はあり得ません。そのためには、九州地域に数多く存在するチャレンジ精神の旺盛な企業が、地元の取引所への上場を契機に更なる成長を実現することこそ、地域経済を成長・発展させていくための大切な要素であり、それが直接金融を担う取引所としての使命であると認識しています。地域企業の皆さまにおかれましては、福証の資金調達機能を活用し、世界へ飛躍する企業へとステップアップしていただきたいと念願しています。